ボトルメール

そして、俺らのチームが強い理由の半分以上が佐伯のおかげだ。顧問の先生は初心者なので保護者的な感じでバスケにおいての指示などはほとんど佐伯がやっている。
「とりあえず俺らは上で観てるから頑張れよ」
「じゃあ、二人ともまた後でね」
彰と楓はそう言って上に行ってしまった。
「もう少しで試合が終わるので私達も中に入りましょう?」
佐伯が腕時計を見ながらそう言ったので指示に従うことにした。体育館の中に入ると練習試合なのに観客が多かった。ほとんど二校の保護者だった。
気づけばあっという間に二校の試合は終わっていて、割と僅差だった。
「落ち着けば負けることは無い相手ですから落ち着いていきましょう」
すごい舐めてる発言だが、実際負けることはない相手だった。
『はい!』
チームメイトみんなが声を揃えて返事をしたあと佐伯がスターティングメンバーを言った。とりあえず、練習試合ということでゼッケンを着ることにした。
今日のスターティングメンバーはBチームに加えて俺が入るそうだ。別に、佐伯が俺に気を遣ったという訳では無い。たまたま一人欠席している人がいたのでそこに俺が入っただけだ。
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