相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
彼が東亜に来て、二週間が過ぎた。

長谷川先生の人気は瞬く間に広がっていた。そりゃ、アメリカの大富豪の御曹司だから。


「あ…」
偶然、病棟と本館を結ぶ渡り廊下で会った。

「槇村さん…」

「長谷川先生…」

私は産婦人科医局勤務。
彼は心臓血管外科医。
滅多に顔を合わせるコトはなかった。

「仕事忙しいですか?」

「あ、まぁー・・・」
彼は私が院長の娘だと知り、あの日のように積極的には関わろうとしなかった。
でも、彼の熱い視線には気づいていた。

母から訊いた情報によれば、長谷川CEOは元カレだと訊いた。

まぁ、高校時代の淡い恋の想い出だと母は言っていたけど・・・

父は嫉妬深いから、長谷川CEOのコトは言わないでと頼まれた。

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