相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「長谷川先生…もしかして知ってます?私の母と長谷川CEOが交際していたコト…」


「君も知ってるのか?」

「はい…母から訊きました…」

長谷川先生も知っていた。
「東亜に来る前に…父に言われてたんだ…院長の娘に手を出すなと…理由は分からなかったけど…先日父に連絡するついでに訊いてみた…」

「…私の父…サバサバしてそうだけど…母のコトになると凄く粘着質になるから…」

「ははっ・・・そうなんだ・・・」

長谷川先生は笑った。

「…そうだ…君も来る?俺の歓迎会」

「えっ!?でも・・・私は医局が違うし…」

「・・・やっぱりダメか…」

彼は残念そうに眉を寄せる。

「ゴメンなさい…」
彼の予期せぬ誘いも断りながらも、自分からデートに誘ってみた。
「貴方さえ良ければ…二人で何処かに行かない?」

「え、あ・・・じゃ東京見物したい」
彼も待ってましたと言わんばかりに即座に誘いに乗って来る。
「え、あ・・・いいけど・・・」

「じゃ連絡先教えてよ…槇村さん」

「分かりました…」



< 169 / 212 >

この作品をシェア

pagetop