天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
しゃくり上げながら泣く彼女に優しく声をかける。
「もう大丈夫だよ」
今彼女に大事なのは、泣いて不安や恐怖を吐露すること。
もう誰にも気を使う必要はない。
俺が全部受け止めるから。
泣き続ける茉莉花ちゃんをしばらく抱きしめていたが、落ち着いてくると寝室のベッドに運んだ。
緊張と恐怖で茉莉花ちゃんは心身ともにクタクタのはず。
俺もベッドに入ると、彼女を抱きしめた。
「前にさ、俺に懐かない猫の話をしたの覚えてる?」
そんな話を持ち出したら、彼女は顔を上げて俺を見た。
「私に似てるっていう?」
「うん。普段俺を見ると逃げるくせに、雷が鳴った時は俺の布団に入って抱きついてかわいかった。茉莉花ちゃんみたいにあったかかったよ」
昔を思い出してクスッと笑ったら、彼女も微笑んだ。
「樹は結構体温低いですもんね」
「うん。冬寝る時とかいつも寒かったけど、今年は茉莉花ちゃんがいるから暖房もいらないかもしれない」
そんな冗談を言ったら、茉莉花ちゃんが突っ込んだ。
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