猫を拾った

-Day 2-

「起きたか」


「んん...おはよう、ございます...」


「あと少しで駅に着く、駅に着いたら新幹線に乗るぞ」



この車は?なんて聞く。
帰ってきた返事に、愚問だったなと自分で感じた。



「乗り捨てる。軽自動車なんていくらでも買えるからな」


「は、はぁ...」


「それより、気分はどうだ。魘されていただろう。やはり父親のことが効いているか」



彼にはお見通しだった。後部座席に横になりながら、彼の後ろ姿を眺める。

アキさんは、人を殺して何も思わないのだろうか。



「トウキョウについたら、真っ先に会って欲しい女がいるんだ」


「会って欲しい、女?」


「心配するな、母親じゃない。昨日話した、俺を深海魚と呼ぶ同僚の妻だ」


「...同僚の妻に、ですか」


「あいつもまた、実の両親を殺されている」



お前には無い感覚が知れるだろう、アキさんは少し笑って言った。
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