笑顔で君に向けて
「私、花園グループっていう経済グループの会長の孫娘なの。」
恒星先輩には話してもいいような気がした。
恒星先輩は驚いた表情もせずに、ただ聞いているだけ。
それから、名字は母方の名字を使っていること。
お見合いがあり、利益に使われること。
お見合いが決まったこと。
その日が夜弥の誕生日だってこと。
全てを話した。
「恒星先輩は...」
私の立場だったらどうする?
聞きたかった。けど、これは私の問題だから。
「やっぱ、何でもない」
「話してくれてありがとう。」
真剣な顔して、真剣な声で。
「で、でもね!明日、2人で映画を観に行く約束をしたんだ!」
嬉しかったことも。話した。
その日から、何かあるごとに恒星先輩に、相談に乗ってもらっていた。