あお
絵…描いてみようかな。

街でもらったチラシの裏の白紙とにらめっこを始めた。
…なんでだろう?
長いこと制限していたせいか、何を描けばいいのか、全く思いつかないまま、夜が明けてしまった…。

「ん……あれれ?私勉強の途中で…」

依子ちゃんが目を覚ました。

「おはよう」

「舞子ちゃん!帰って来たんだ!」

「帰ってくるよー。私落ち込んでたから逃亡でもすると思った?」

「少しだけ…あれ、なんか変わった?……髪型だ!」

「そう。例のいじめっ子にしてもらったの。でね、わだかまりも解けたの」

「へー、よかったねぇ!すごくいいよ、その髪型。…あれ?その紙何?」

「絵をまた描いてみようかと思って、ずっと紙と向き合ってたけど何も描けずに夜が明けちゃいました…」

「…ってことは寝てないの!?」

「うん」

「だめだよ、睡眠不足は体に毒だよ!今からでも寝たら?」

「うん…ま、大丈夫だよ。きのう昼間だらだらしてたし、…なんだか神経が高ぶってるかんじで眠くないの」

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