あお
「学校の売店で?よかったねぇ!学校だったら通勤時間がなくてめんどくさくないね!って、めんどくさいとか思っちゃうのは私だけか、はははっ」

追い越されたような気がして、内心ショックだった。
でも依子ちゃんは何も悪くないんだもの。
私は精一杯明るく振る舞っていた。

「舞子ちゃんもすぐみつかるよ!」

「うん!」

だけど、私は何も決まらずに、また次の月になっていた。

「何が悪いんだろう…?…顔か?」

気分転換のため、時計を売って、美容室に行くことにした。
街でもらったポケットティッシュの美容室。
割引券もついてたし…。

「いらっしゃいませ!…あれ、藤崎さんじゃん?」

「…!」

そこにいた美容師さんは、中学の頃私をいじめていた女子だった。

「ひ、人違いです…あ!買い物忘れてた、ごめんなさいっ」

気分転換もせず、店を出た。
まさかあの子が美容師になって千葉に居るなんて…。

「…なんだかなぁっ」

気が抜けて、もうアパートに帰ることにした。
なんだか疲れて、まだ夕方だったけれど、布団に潜り込んだ。

―カチャッ、カチャッ

「…どうしたの?具合悪いの!?」
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