みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 でも、なんでこんなに気負わずに普通に会話してるんだろう。
 家族か、十年来の友だちみたいに。

 職場の、とくに男性とはこんな風に話したことなんてない。

 昨日会ってから、ありえないことばかりだ。
 でも、それが嫌じゃない。
 むしろ、なんだかうきうきしているのが自分でも不思議だ。

 そして、嬉しいことに、彼もそう思っていてくれたらしい。
「でも、昨日、楽しかったよな。あんなに笑ったの久しぶりだった。はじめて飲んだとは、思えないぐらい」

 そう言ってから、梅干しをかじって「うえ、酸っぱいわ、これ」と思い切り顔をしかめる。

「二日酔いに効きそう」
 わたしも目を細めて口を尖らせる。

 めっちゃ不細工になってそう。
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