夢から夢へと終わらぬ悪夢
目が覚めると知らない場所にいた。
真っ白なコンクリートの天井、真っ白なシーツに真っ白な布団。
多分ここは病院だ。
手元を見ると誰かが私の手を握っていた。
すやすやと寝ている彼の眼もとには薄っすらとクマが出来ていた。
時間を見れば昼の3時を過ぎていた。寝すぎはよろしくない。
「ねぇ、起きて。3時過ぎてるよ」
「ん…ん?え!?あ、おはよ!」
キーン..
声が大きくて耳鳴りがした。
耳をふさいだら目の前にいる彼はおろおろして「ごめん、声大きすぎたね」と誤ってきた。次からは気を付けてね。
「指何本に見える!?」
彼は人差し指と中指を立てて私に見せてきた。いやいや、ちゃんと見えてますからね
「二本」
「うん、大丈夫そうだね!」
なめてんのか、まぁ心配してくれてありがとう。
「ねぇ、ここって病院よね?」
「うん」
「なんで私病院にいるの?」
「お前はカフェで倒れたんだよ」
「そうなんだ」
「うん」
会話修了。長い沈黙が続く
((き、気まずい))
2人の気持ちが一致した瞬間だった
それから時間が過ぎ、私は退院した
退院するには1週間かかったけど毎日毎日、彼は私の病室に顔を出した。
私は倒れたときに頭を強く打ってしまい、記憶が5年分吹っ飛んでしまったらしい。
私は彼から5年間何があったのか聞いた。
彼とは大学で出会い4年生の時に彼から告白し、付き合うことになった。
ここは覚えている。ここから先は忘れてしまっている。
私たちは留年することなく無事卒業できたらしい。
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