情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る~新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます~
『秋の風は気持ちいいよな。月…綺麗だ』


『いつか連れてってくれるんでしょ、あそこに』


私は腕を空に伸ばして指を指した。


『ああ。任せとけ!絶対、行くから。2人であの月に!』


太一は私のことを抱きしめた。


『こんなムキムキの立派な腕をしてるんだから、めそめそしちゃダメだよ。元気出しな。笑おうよ』


私も太一の腰に腕を回した。


このでっかい感じ…これが好き。


『ガッハッハッ。これでいいか?』


『馬鹿じゃないの?本当にお調子者なんだから』


まだ抱き合ったまま…今日は離さないんだね。


『なあ、月那。俺、お前と結婚して本当に良かったよ。これからもよろしくな』


私は…太一がいないとダメなんだ。


だけど…やっぱりまだ言わない。


いつか一緒に月に行けたら…その時には言ってあげてもいいかもね。


私達はキスをして、そして笑い合った。


『今日はビールもう1本』


『あっ、ダメ!油断も隙もないな~』


『もう開けたもんね~』


『太一のお小遣いから引いておくからね!』


『ちょっと勘弁してくれよ~』


いつまでもこうして笑ってようよ。


だって私、太一の笑ってる顔、この世で1番イケメンだって思ってるんだから。
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