激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす

姉の身代わりで結婚し、始まった新婚生活。

両親から問答無用で大学と料理教室で学ばされた栄養学と調理スキルを活かし、旦那様である颯真が健康で精力的に仕事に取り組めるよう、日々食事には気を遣って手作りしている。

大学卒業と共に家庭に入ったため、千花は専業主婦。
颯真が1人暮らしの時に利用していたハウスキーパーを雇えばいいと言われたが、1日家にいるのなら自分がやるべきだと丁重にお断りし、料理以外の家事も全て千花が自分でこなしている。

とはいえ39階に洗濯物を干せるはずもなく、コンシェルジュのクリーニングサービスを利用するため、日中の千花の仕事はこの広すぎる家の掃除のみ。

時間を持て余してしまうため、夕食作りにも力が入る。


「はぁ。今日も美味かった。ありがとう」
「お粗末さまでした」
「コンソメもいいけど、トマト煮もいいな」
「あとは中華風とか、カレー粉で仕上げても美味しいよ。あ、あと味噌煮も」
「カレー風味がいいな、食べてみたい」

食べ終えた食器を一緒にシンクに下げながら、感謝の言葉と感想を伝えてくれる颯真に微笑む。

専業主婦だから家事をして当然なのに、彼はこうして必ず千花が行ったことに対して礼を言い、出来る限り手伝おうとしてくれる。

料理を作れば美味しいと感想を伝えてくれるし、献立に迷わないように適度にリクエストもくれる。

優しくて気のつく、最高の旦那様だと思う。

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