激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす

(子供を望まれていることはわかってる。でも、私の価値ってそれだけ…?)

優しい颯真に聞けば、きっと否定してくれることは分かっている。
だからこそ、このままではいけないのではないか。

颯真が弥生のことを吹っ切り、自分のことを見てくれるように努力したいと思った。

そのためには両親に言われた通り、家のことをしながら栄養のある美味しい料理を作り、颯真を支えたいと考えてきた。

でも、それだけでいいのだろうか…。

親友の陽菜は両親から強要されている政略結婚に抗うため、いつでも自立できるよう学生時代から働いて貯金をし、努力していくつもの資格を取った。

そんな彼女の強さに憧れながらも、千花は父の言うがまま進路を変更し専業主婦になった。

(私もちゃんと自立しないと。私がしたいこと…、望むこと…)

千花の頭の中に、陽菜から持ちかけられた栄養士として働くという選択肢が浮かぶ。

幼い頃から小さい子供に関わる仕事がしたいという夢があった。突然の婚約によりその道は閉ざされてしまったと思っていたが、思わぬところからそれが叶いそうな話が舞い込んできた。

(保育園の栄養士として、働いてみたい…!)

千花は「よし!」と意気込んでバスルームを出る。そして入れ替わりでお風呂に入った颯真が出てきたところを捕まえて2人並んでソファに腰を下ろすと、早速陽菜から聞いた話を持ちかけてみた。

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