タツナミソウ
_______________________ザワザワ。

2月14日

「幸子!亮太に渡さなくていいの??」

「いいよ、、、話した事だってそんなにないし、気持ち悪くない??」

「そんな事ないって!最近すごいかっこいいって言ってたじゃん!ほら、やらない後悔よりやるなんとかとか言うじゃん!!」

中学生3年生。なんとなく男の子とか女の子とか意識し出して、誰と誰が付き合ったとか、皆そういう話ばっかり。そんな事興味ないと思っていたけれど、最近すごく亮太の事が気になってしまう。

友達のめぐみにそれを伝えると、「チョコを渡しな!」と言われる始末。たしかに背も伸びてかっこよくなったなとは思うけど、付き合うとかよくわからないし、、、。
でも、このまま話さなくなっちゃうのは嫌だな。
そんな事を考えながら話している教室前の廊下。
逆側のドアの所には友達と笑い合いながら話している亮太の姿がある。
めぐみに背中を押されて亮太の方に向かった。

「あ、あのさ、亮太。これ。」

「ん?あ、ありがとう。じゃ。」

友達の「ヒューヒュー」等という話し声をバックに亮太はすぐに帰ってしまった。
多分、私の耳はマグマのように真っ赤で熱かったと思う。亮太の耳も真っ赤で右耳を触っていたのをよく覚えている。
周りの友達にはちゃかされちゃうし、すぐにいなくなっちゃったし、嫌だったのかな。
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