恋の誘導尋問~恋に不器用な先輩に捕われたい~
「俊哉さんが好き……」

 俊哉さんが今まで付き合って、別れていた経緯――相手の女性がのぼせればのぼせるほど、冷めてしまうという言葉を聞いていたので、告白めいたことをあえて今まで告げていなかった。

 そして私自身も、ちょっとずつ距離を縮める感じでお付き合いをお願いしていたこともあり、気持ちにブレーキをかけていたところもある。

 そんな私の気持ちを引き出そうとしていたのか、行為の最中に俊哉さんの口から『好きだ』という言葉をたくさん聞いていた。

「綾瀬川よりも?」

 私に注がれる視線から慈愛が満ち溢れていて、目を逸らさずにはいられない。

「俊哉さんが好きです」

「笑美に好きと言ってもらえてるのに、どうしてだろうな」

 そう言って、両腕で私の体を強く抱きしめた。頬を触れ合わせているから、吐息と一緒に俊哉さんの低くて艶っぽい声が耳の近くで響く。

「俊哉さん?」

「好きだと言わずにはいられないくらいに、笑美にもっともっと好きになってもらいたい」

 切なげに語られたセリフを聞いて、私は大きな背中に手をやり、優しく撫で擦った。

「俊哉さんを愛してます」

「俺も……。俺も笑美を愛してる」

 熱い想いが込められたキスが、私の唇や体に降り注ぐ。くすぐったさに身をよじると、俊哉さんの両手が下半身に伸ばされた。

「どっちが感じる?」

「どっちなんて、ぁあっ!」

「笑美の硬くなったモノを、俺の左手の指先で触れてるんだが、どうやって擦ったら気持ちよくなる? それとも最初みたいに、口で吸ったほうがいい?」

 私に訊ねているのに、俊哉さんの指先は確実に私の感じる部分をこねくり回しているし、右手が蜜壺の入り口を出挿りして、さらに刺激を与えるせいで、ふたたび絶頂したくてたまらなくなる。

「俊哉さ……っ、そんなに一気に弄ったらっ、またイ、んんっ…イっちゃう」

 体が布団で隠されていてよかったと思った。なにも被っていなかったなら、淫らな水音が寝室に聞こえてしまい、恥ずかしさでどうにかなっていただろう。

「一気にって、ああ。ちょうど俺の口があいてるから、触れてないところに出張しなければいけないな」
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