バカ恋ばなし

高校3年生のときの同級生比呂ちゃんは、とても霊感が強かった。彼女は物静かで、

ピッチリ真ん中分けの腰まである真っ黒な直毛ロングヘアを一つに縛り、色白で私

と同じ身長だが体型はほっそりとしていて、能面のような顔立ちからまるで巫女さ

んのような感じだった。彼女と一緒にコックリさんをすると、握っていたシャープ

ペンシル(本来は10円玉だが、私たちはシャープペンシルを使用していた。)がス

ルスルと動き始めるので毎回ゾッとしていた。そんなミステリアスな比呂ちゃんだ

が、私はクラスの中では結構親しく接していた。             

比呂ちゃんに譲二君(プリンス)のことを話したら、

「そのプリンスとかいう人と同じ高校にあたしの友達が通っているから知っている

と思う。今度聞いてみるよ。」

と、譲二君の情報収集を快諾してくれた。ちなみに譲二君の高校の文化祭に一緒に

行こうと誘ったのだが、

「あの高校は地縛霊が凄いから遠慮しとく。」

と、あっさり断られた。そういえば、文化祭のときに佳子達と一緒に撮った写真の

中で、1枚私の右足だけが不自然に写っていなかったものがあった。

比呂ちゃんは霊感を利用してちょっとしたタロット占いができた。譲二君に片想い

をしてから、雑誌に掲載されている星座占いなどの恋愛占いを見るのにハマってい

た私は、文化祭が終わった7月のとある日、比呂ちゃんに恋愛運について占っても

らいたくて放課後頼んでみた。もちろん譲二君への恋が成就するかどうかと、譲二

君と二人きりで会ってお話しようと考えていたので上手くいくかどうかを占ってほ

しかったのだ。

「比呂ちゃん、私、プリンスに会って話しかけてみようと思っているの。上手くい

くかなあ?」   

比呂ちゃんは徐にタロットカードを机の上に出して両手で時計回りに混ぜ合わせ

た。そしてカードを一つにまとめてその中から2枚を引いて並べた。

引いたカードの1枚目には「world」(多分そうだと思う。)と表記されていたのが

わかったが、2枚目はなんて書いてあるか分からなかった。比呂ちゃんはカードと私

の顔を何度も交互に見ながらゆっくりと話し始めた。

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