ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです！2

秀一の束縛を心のどこかで嬉しいとでも思っているのだろうか、瑠愛はそっと胸に触れる。胸の中にある感情は、温かいような冷たいような、よくわからないものだった。

「あんなヤンデレさん、好きになりません！」

友達の気のせいだと思い、瑠愛はそう言い放つ。すると、友達はさらに呆れた顔を見せた。

「変なところで素直にならないんだから……」

その時、「やばいやばい！」と言いながら委員会に出ていた友達が走って教室に駆け込んでくる。その顔は真っ赤になり、興奮していた。

「瑠愛ちゃん、あんたの彼が迎えに来てるよ！大人で社長ってほんといいよね〜。あんなかっこいい車でお迎えなんて……」

「えっ、それ本当！？」

瑠愛が慌てて窓の外から校門の方を見ると、校門の前に白いスポーツカーが止まっており、車の外に秀一が出て校舎の方を見ている。瑠愛を待っているのだ。

「ごめん！私、四ノ宮さんのところに行くね。また明日」

瑠愛はそう言い、かばんを手に廊下を走る。その様子を見て、教室に残された友達は一斉に呟いた。