エリート弁護士は、ショコラティエの彼女を独占欲で満たしたい。
「かしこまりました」
私は、ボンボンショコラの箱をひとつとババロアを冷蔵から二つ取り出した。箱にババロアを二つ入れて隙間にドライアイスを入れた。
「毎度、ありがとうございます」
「いえ、いつも美味しいチョコレートをありがとうございます。八神さんも、あっ、私の上司なんですけど……その人も好きなんです」
「え、ありがとうございます。そうだ、新商品なんですけど、試食されますか?」
「え、いいんですか? ぜひ!」
私は、試食用のミントショコラとオレンジショコラの小さなカップを渡した。
「ありがとうございます……いただきます」
「はい、どうぞ」
男性は「ん、うまい……え、美味しい」と呟いて、もぐもぐさせた。
「とても美味しかったです。この新しい商品、二種類一個ずついただけますか?」
「はい、もちろんです。箱に詰めますね……その間、飲み物をどうぞ。今日からレモン氷の氷出し紅茶とフレッシュミントの氷出し紅茶の二つになっていますのでお好きな方をどうぞ」
「ありがとうございますっ! いただきます」
男性が「どっちにしようかな」と迷ってる間に私は、ババロアを詰め直し、ドライアイスを詰めた。袋に入れると男性を呼んだ。