エリート弁護士は、ショコラティエの彼女を独占欲で満たしたい。


 いつも八神さんが来店するとあっという間に商品の数が少なくなる。インスタに載せるために写真を撮って確認していると、お店の鈴がまたカランカランと鳴った。


「いらっしゃいませ……え、お巡りさん?」

「突然申し訳ありません。最近この辺りで不審者が多発しておりまして、注意喚起に参りました」

「不審者、ですか」

「はい。ではよろしくお願いします」


 お巡りさんはチラシを私に渡すと、すぐに去っていった。
 だけど、この辺穏やかで不審者なんてでなさそうなのに……物騒な世の中になったな。


 無事今日も完売することが出来て閉店準備に取り掛かる。ショーケースや床の掃除にレジ締めも行ってあとはお店の鍵を閉めてここから数分歩いて登さんが住む場所もご厚意で貸してくれた小さな一軒家に帰宅した。


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