【新装版】BAD BOYS

・fourteen








はなびのそれからの態度といえば、それはそれは可愛いものだった。

俺のこと意識して仕方ないって感じで接してくるから、その可愛さにずっと俺はご機嫌。カフェで向かい合って座ってるだけでも、落ち着かなさそうで。



「そわそわしすぎ」



「誰のせいだと……っ」



「俺だろ? 知ってる」



はなびを揶揄って手を伸ばし、よしよしと髪を撫でるだけで真っ赤になって口を噤んでしまう。

……こんなピュアだっけ、はなびって。



「あれ。裏で仕事してたらかわいい子がいるって噂になってたけど、ノアの彼女じゃん。

どしたの? まさか二股ですか、お嬢さん」



ノア先輩の前での彼女の姿を思い出そうと記憶をさかのぼっていれば、ふと耳に届いた声。

顔を上げれば、どうもカフェの似合わない強面なお兄さん。はなびと知り合いらしい。




「いや、そういうわけじゃ……っ。

あの、ちょっと今日、お伺いしたいことがあって、」



「ん?聞きたい事?」



「ノアのことで……

あとで少しお時間いただけませんか……?」



そう言って、彼にお願いするはなび。

……まさか用事ってこれ? 俺、あの人との関係を相談する相手に会うために連れてこられたの?



「いいよ、俺が裏にいても仕事回るぐらいだし、いまでも。

……でも彼氏と一緒だと話しにくいでしょ?」



裏おいで、と。

誘う言葉に彼女はあっさりついていこうとするから、何かあればどうするんだとその無防備さにため息を吐く。



「彼氏じゃないですけど。

……はなびに余計な事しないでくださいね」



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