【新装版】BAD BOYS



ひとまず袋の開封は椿に任せて、わたしは入っている服に目を通して畳む。

底には靴も一足入れてあって、とりあえずお洒落できるものを詰め込んでくれたらしい。確かにこれは嬉しいけど。



椿に意見を聞いて欲しいって言ってたのはどれのことだったんだろう、と。

椿に視線を向けたところで、彼が「はなび」とわたしを呼ぶ。それから開封して一度中を覗いたブランドのロゴ入り袋を、ハイと手渡してきた。



「……?」



あ、メモがついてる。

『この中身はパパには内緒でママが選びました。彼氏さんと楽しんで』って。なにそれ。



まあいいや中身を、と。

袋を覗いたわたしは、椿がなぜ無言で渡してきたのかすぐに気づいた。……待って。



「……椿、これ見た?」



「一瞬だけ。

……ってか下着別のにも入ってたし、まさかもう1個トラップ仕掛けてあると思わねえじゃん」




え、そうなの?と言えば彼が渡してきた別の袋には、たしかに下着が入っていて。

わたしが手に持っているメモ付きの袋にも下着が入っているのだけれど。……うん、こっちはすごくセクシーだ。



「感想聞けってそういうこと……」



ちらっと袋の中身を再度覗いてみる。

……いやいや、なにこの"いかにも"な下着。経験豊富な椿がちらっと見ただけで渡してくるぐらいなんだから、セクシーすぎると思う。



「……クローゼットの奥底に片付ける」



「さすがにそれは勝負に出すぎだな」



「そうね……

普通の下着はナチュラルに目視されてたことにもびっくりだけど」



まあ椿が下着なんかで動揺するなんて思ってないけどね。

心の中でそう呟いて、ダンボールの中身をせっせと運んでクローゼットに収めてから。



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