魔力を失った少女は婚約者から逃亡する
また、謎が増えた。大魔導士ベイジルの資料はどこへ。
「ニコラがいたら、わかっただろうかねぇ」
祖母が言うニコラとはレインの母親。そのニコラはライトの父親が亡くなった時に姿を消した。
失踪したわけではなく、ちょっと薬草を探してくる。レインをよろしくね」と一言だけ残して。
もしかしたら、当主をライトが引き継ぐことになったから、邪魔者はさっさと消えようというニコラ自身による考えだったのかもしれないが。
「それで、ニコラは今どこにいるのかわかるのかい?」
祖母が優しく笑んだまま尋ねた。
「ええと、二月ほど前に手紙が届きましたが。どうやらこの大陸にはいるようです。どこの国にいるかまではわかりませんが」
「あの娘の放浪癖は病気みたいなものだからね。子供が生まれて少しは変わったかと思ったのだが、まさか子供をおいていくとはね」
それはきっとニコラなりの優しさだ。
彼女はレインを連れていくかどうかを最後まで悩んでいた。だが、それを止めたのはライト。父が亡くなった今、妹までは失いたくないと。できれば、義母にもこのままここに残って欲しい、と。
「旦那様を失った今でも、あなたたちの好意に甘えるわけにはいかない」というのがニコラの言い分だった。
それでもその好意に甘えて欲しいとは、当時のライトに言い出せるわけもなく。
「義母が戻ってくるのを気長に待つしかないですかね」
ため息を吐き、独特の香りの薬草茶を一口飲んだ。
「ニコラがいたら、わかっただろうかねぇ」
祖母が言うニコラとはレインの母親。そのニコラはライトの父親が亡くなった時に姿を消した。
失踪したわけではなく、ちょっと薬草を探してくる。レインをよろしくね」と一言だけ残して。
もしかしたら、当主をライトが引き継ぐことになったから、邪魔者はさっさと消えようというニコラ自身による考えだったのかもしれないが。
「それで、ニコラは今どこにいるのかわかるのかい?」
祖母が優しく笑んだまま尋ねた。
「ええと、二月ほど前に手紙が届きましたが。どうやらこの大陸にはいるようです。どこの国にいるかまではわかりませんが」
「あの娘の放浪癖は病気みたいなものだからね。子供が生まれて少しは変わったかと思ったのだが、まさか子供をおいていくとはね」
それはきっとニコラなりの優しさだ。
彼女はレインを連れていくかどうかを最後まで悩んでいた。だが、それを止めたのはライト。父が亡くなった今、妹までは失いたくないと。できれば、義母にもこのままここに残って欲しい、と。
「旦那様を失った今でも、あなたたちの好意に甘えるわけにはいかない」というのがニコラの言い分だった。
それでもその好意に甘えて欲しいとは、当時のライトに言い出せるわけもなく。
「義母が戻ってくるのを気長に待つしかないですかね」
ため息を吐き、独特の香りの薬草茶を一口飲んだ。