私の周りにヤンデレしかいないんだが
「悠利先輩、離してくれませんか?」

何分も抱き締められていて、とても恥ずかしくなってきた。でももがいても男性の力には敵わないし、さっきより抱き締める力が強くなっているような気がする……。

「もうちょっとだけ」
(離したくない。永遠にこの腕の中に閉じ込めておきたい。他の男がいる世界に離したくない。絶対に美紅ちゃんのことは閉じ込めよう。手錠や足枷をしてても、きっと美紅ちゃんは可愛い。もう永遠に離さない。死ぬまで、いや、死んでも一緒になりたいんだ)

「……」

悠利先輩の心の声に笑顔を失う。この人、そんなこと裏で考えてたわけ!?十くんや龍羽くん、悠利先輩ってヤンデレ危険人物じゃないの!!

悠利先輩が心の中で呟いた「愛してる」の声を聞きながら、私は解放されるのをただジッと待った。






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