私の周りにヤンデレしかいないんだが
雫ちゃんに笑いかけ、十くんは私の腕を掴み、私を連れて教室を出て行く。

私、どこに連れて行かれちゃうのかな……。



十くんに連れて来られたのは屋上。夕焼けが綺麗でロマンチック。ずっと十くんの心の声で「可愛い。閉じ込めたい」って聞こえてるけど……。

「夕焼け、すごく綺麗でしょ?一緒に見たくて」
(美紅ちゃんをやっと独り占めできる!)

「うん、とっても綺麗。ありがとう」

でも、夕焼けを見るなら全然いつでもいいのに、どうして雫ちゃんとの話を中断させてまで連れて来たんだろう……。すると、十くんの顔がゆっくりと近付いてくる。

「み、十くん?」

「今日はね、美紅ちゃんと出会って三ヶ月の記念日なんだよ。だから、どうしても言いたいことがあるんだ」
(絶対に断らせない!僕のものにする。離さない)

何を十くんが言いたいのか、もう予想はついてる。ううん、もう答えだよね。

「君のことがすーーー」

十くんが言いかけた時、バタンと大きな物音がした。振り向けば龍羽くんに、悠利先輩と蒼先輩がいた。ヤンデレが全員揃っちゃったよ。
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