私達は結婚したのでもう手遅れです!
家庭で作るからか、どっしりと重たいあんこ。
甘さ控えめにして小豆の味を生かすのがおばあちゃん流。

「懐かしい味だ」

「そうですか?やっぱり家で炊くあんこは違いまずよね」

あんこ(つう)ですね。
違いが分かってくれて嬉しいですと思いながら、二個目のぼた餅を皿にのせた。

「まだまだありますよ」

「二個で十分だ」

「そうですか?ボディガードの人達はどうですか?」

「ボディーガード!?いや、俺らは……ぐっ!」

強面の人達がなにか言おうとした瞬間、おじいちゃんの肘がドスッと腹に入ったのが見えた。

「あの?」

「俺ら、い、いえ、私達も二個でおなかいっぱいになりました」

三人をもてなしてから、私はようやく重大なことに気づいた。
ぼた餅をごちそうしてしまったけど、肝心の冬悟さんがいないのに引き留めてしまったことに。

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