私達は結婚したのでもう手遅れです!
「すみません!冬悟さんがいないのに引き留めてしまって。冬悟さんにご用だったんですよね?」

「うむ」

おじいちゃんはうなずいた。
やっぱり。
もしかして、嶋倉の親戚の方?
私と冬悟さんが結婚したと聞いたから、嫁の顔を見に来たんじゃ?
『嶋倉の嫁としてふさわしいか判断してやろう』そんなところ?

「わ、私、冬悟さんに相応しい嫁とは思えませんが、精一杯、頑張らせていただいてます!こ、このようにぼた餅だってうまく作れます!」

焦って無駄にアピールしてしまった。

「冬悟が好きなのかね」

「す、す、好きって!もー!おじいちゃん、はっきり言わないでください!恥ずかしい!」

おじいちゃんの肩をバシバシと叩くと、ボディガードの人達がうわあああっと声をあげた。

「冬悟さんって、すっごくかっこいいじゃないですか。それこそ、王子様みたいだなって思うこともあるんですよ」

「王子?冬悟が?」

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