私達は結婚したのでもう手遅れです!
お互いの空気が『大丈夫だった』と同じなのにも関わらず、考えていることがなんだか食い違っているような気がするのは気のせいだよね?

「冬悟さん。カードキーを偽造したようです。若い連中がやられたくらいで他に異常はありません」

「歳をとったとはいえ、やはり、侮れない存在ですね」

竜江(たつえ)さんと仙崎(せんざき)さんが入ってきた。
二人とも真剣な顔をしている。

「なにかあったんですか?」

「いや、年寄りの悪ふざけがあっただけだ」

「こちらの様子を伺いに来ただけでしょうか」

仙崎さんが険しい顔をして冬悟さんに言った。

「どうだろうな。俺への牽制かもしれないぞ」

「生意気だって前々から言われてましたからね」

「竜江にだけは言われなくねえよ。まあ、羽花が無事ならいい」

くしゃりと髪をなでられた。
よくわからないけど、夕飯の魚を焼いてもいいのかな。
お風呂が先かな。
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