私達は結婚したのでもう手遅れです!
それとも―――ちらりと冬悟さんを見て恥ずかしくなった。
仙崎さん達の前じゃ言えないよー!
も~、返事を聞いてからじゃないと魚を焼けないよ!

「明日から羽花を会社に連れていく。目の届くところに置いておかないと不安だ」

「本当ですか!?」

「その方が安心だ」

冬悟さんはぼすっと私の肩に顔を埋めた。
う、うわぁー!!竜江さんと仙崎さんがいる前でこんなっ!
ごめんなさい、ラブラブで……と二人に目で謝ったけど、二人はそれどころじゃないらしく、なにか考え事をしていた。

「俺から離れるな」

「はいっ!」

言われなくともっ!
よくわからないけど、マンションの部屋から出してもらえるようだった。
明日から、私は社長秘書に復帰して、一日中冬悟さんと一緒にいられる。
それがとても嬉しかった。
棚からぼた餅。
そう、問題はぼた餅だ。

「仙崎さん達、ぼた餅を食べますか?」

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