私達は結婚したのでもう手遅れです!
第27話 重なる時間
私に触れるのはこれが初めてじゃない。
それなのに冬悟さんはまるで大切なものを壊さないようにと、私の体を手で支えて横にした。

「今日が初めてみたいです」

「実際、初めてなんだが?」

冬悟さんの声。
耳元で話されるとなんだかこそばゆい。

「どれだけ俺が我慢していたか」

「我慢してたんですか?」

「当たり前だ」

夫だったのだから、冬悟さんは私を抱いても許される。
けれど、自分の生い立ちを知らない、本当の姿をわかっていない私が拒絶した時のために離れることができるようにしてくれていたのだと思う。

「冬悟さんは優しいですね」

「羽花にだけな」

「私だけでいいです」

じゃないと、周りが女の人だらけになってしまう。
もっとセクシーでお色気たっぷりならよかった。
そしたら、冬悟さんを誘惑できたのに。
優しく落とされるキスに目を閉じ、冬悟さんの体に手を回した。

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