私達は結婚したのでもう手遅れです!
「冬悟さん。私が冬悟さんから一生離れられないようにしてください」

それなら、どれだけ冬悟さんの周りに女の人がいても私が埋もれることはないから。
なんの反応もなく、あれっ!?と思って冬悟さんを仰ぎ見ると頬が赤くなって見えた。

「あの?」

目を逸らし、息を吐く。
ぐしゃぐしゃと自分の髪をかき乱して冬悟さんは唸る。

「意味をわかってから言え!」

「言葉のままです」

なぜか怒られた。

「なら、お望み通りそうしてやるよ」

なにが悪かったのかわからないまま、乱暴に唇をふさがれた。
優しいキスはどこかへ消え去り、濡れた舌が唇を舐めて口を開けと命じる。
それに従うようにわずかに口を開けるとその隙間から、するりと舌が滑り込み、口腔をなぞった。
苦しいほどに何度も舌を絡められ、引きずり出される。

「んっ……ふぁ……」

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