私達は結婚したのでもう手遅れです!
逃げることができないように頭をしっかりと手で固定されているせいで、全部、冬悟さんの思うがまま。
お互いの舌が触れ合う感触に集中していると、体に触れていた手の存在を忘れて、簡単に着ていたものを脱がされてしまっていた。

「あ……だめ、明るいから」

「暗かったから、羽花が見えない」

「そうですけど……こっ、これはっ……」」

冬悟さんくらい綺麗ならいい。
でも―――

「逃げられないくらいつなぎとめたい。羽花を」

「冬悟さん?」

深いキス。
口内を貪りつくすほどに激しくて―――どこか、悲しくなるキスだった。
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