私達は結婚したのでもう手遅れです!
「季節によって中身のフルーツが変わるんだけど、今はイチゴがたくさん入ってるのよ」

「イチゴが!!」

イチゴのフルーツロールなんて絶対においしいに決まっている。
洋菓子はなかなか食べる機会がなかった身としては興味がある―――というよりも、すごく食べたい。

「生クリームたっぷりで甘さも控えめなのよ」

「生クリームたっぷり……」

なんて素敵な響きだろう。

「それに昔の冬悟がどんな子供だったか、教えてあげるわよ。少しの時間だけならいいでしょ?」

「そうですね!」

私が知らない冬悟さん。
その魅力的な言葉に誘われて、私は礼華さんと一緒に会社一階のカフェへと向かった。
それが罠だとは気づかずに―――
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