私達は結婚したのでもう手遅れです!
私の目をじっと冬悟さんは見つめて言った。

「結婚しよう。羽花」

「はいっ!」

私から冬悟さんに手を差し出すと冬悟さんはその手をぎゅっと握って手を繋いだ。
夕暮れの優しい空気の中、二人の影が繋がる。
いつも一人で歩いていた竹林の小径を二人で歩く。
二人の影がひとつになったのを眺めながら。

―――私達は晴れて夫婦となりました。

【了】
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