私達は結婚したのでもう手遅れです!
冬悟さんが着ているのはパジャマというよりはルームウェア。
ネイビーの薄手のクールネックの半袖シャツ、ワイドパンツ、上にシャツブルゾンを羽織っている。
シンプルなのにおしゃれでかっこいい。
それに比べて私のパジャマは―――

「なにかありましたか?」

冬悟さんが本から顔をあげて私を見た。

「ぱ、パジャマってこれしかないんですか?もっと露出の少ないのって」

キャミソールタイプで胸元がV字に空いたレースたっぷりのクリーム色のワンピース。
そして、透け感のあるロングカーディガン。
薄手だからか、下着が透けて見えるんじゃないかなって心配になってくる。
落ち着かないかんじでドアの前でうろたえていると冬悟さんがふっと笑った。

「こちらへどうぞ」

ぽんぽんっとベッドを手で叩く。
それを拒めるわけもなく、そろりとドアをあけ、隣に座った。

「似合ってますよ。とても」

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