私達は結婚したのでもう手遅れです!
第12話 距離
この感情は嫉妬なのかな。
憂鬱で悶々としたまま、お礼状の宛名ラベルを貼る作業をしていた。
冷静に見えるかもしれないないけど、頭の中は質問の山でテンコ盛り。
おかわりもある勢いだった。
冬悟(とうご)さんは午前中から会議であの後、すぐにいなくなってしまった。
仕事だから、しかたないとはいえ、礼華(れいか)さんとのことを説明してくれてもいいのに……
それとも、説明する必要はないなんて思ってるのかな。
冬悟さんにとってはどうでもいいこと?
結婚を前提に付き合うことになったけど、それはつい昨日のこと。
冬悟さんのことは詳しく知らない。
私より、礼華さんの方がずっと冬悟さんと深い関係に見えた。
ペタンッと力強くラベルを貼った。
いろいろ聞きたいのに今、社長室にいるのは私の護衛を命じられた竜江さんだけ。
竜江さんはソファーに座り、書類をめくっている。
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