【書籍化】利害一致婚のはずですが、ホテル王の一途な溺愛に蕩かされています
彼とは、数時間前まで婚活パーティーで“同じナンバー”を持つただの参加者同士だった。
会場で言葉を交わしたのは一瞬。
それも、私たちは初対面だった。なのに、なぜこうなってしまったのか。
偶然? それとも、運命?
私にもわからない。でも。こうなってしまえば、もうどっちだっていい。
彼という人に魅了されてしまったから。
好きでもない人と結婚させられるくらいなら、例えどんな形であろうとも彼の傍にいたい。
すぐるさんのことが、好き。
これからの未来へ甘い予感を携えながら。でも微かに頭の片隅に存在する戸惑いから視線を逸らしながら。
与えられる、念入りな愛撫を受け入れる。
「あっ……まだ、だめ⋯⋯」
「だめじゃないよ、⋯⋯早く、俺を感じて――」