❤︎キミのことが好きすぎて、病んじゃいました❤︎【3】
❤︎side 菫❤︎

——バタン。

静かな地下に響き渡った、苺が倒れる音。

「……可愛いね」

“騙されてくれて”、ありがとう。

そんなことを心の中で思いながら、苺を僕の部屋のベッドに運ぶ。

「……ったく、お前は……」

「ふふっ、なぁに楓。文句……あるわけ?」

いつのまにか僕の部屋に現れた楓を殴り殺したくなる。

「……うゎ、お前いまその目で人殺せるわ」

「ふふっ、ありがとう」

「……っ……お前、マジで、怖い……」

本気で震え出す楓。

コンコンッ

「はーい。どーぞ母さん」

ガチャン!

「あらあらっ、その子が苺ちゃんね!可愛い子ねぇ。菫くん、同居するのはいいけど、たまには連絡ちょうだいね」

「はいはい、わかってるよ」

そう言って母さんの頭を撫でた。

「ふふっ、苺ちゃんになら菫くんを任せられるわね」

「ふふっ、うん!じゃあ行くね、母さんいままでありがと」

「もーどーせすぐ帰ってくるでしょ?行ってらっしゃい」

「ふふっ、いってきます」

そう言って微笑んで、苺を再びお姫様抱っこをして、“新居”へ向かった。






「んっ……」

「あっ……起きた?」
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