偏愛しましょう、そうしましょう

出来心

桜咲く4月。新学期。新しい出会い、なんてものじゃなくて。



ただ平凡な日々を送っている深浦茅世(ふかうらちせ)、16歳、高校1年生。




5月26日、水曜日。


平凡な日々と代わりにやってきた、16回目の誕生日。


それはまあ、変わらない毎日なのですよ。





だからって、あの男に近づくべきでは無かったんだ。



でも、でも!


私だって、ただの出来心だったんだもん。





あの男が、私を偏愛するようになるなんて、知らなかったんだもん──
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