愛して、芹沢さん
そう言って薄っすらと笑った真木さんの顔が、ミラー越しに見えた。



その笑顔を見たら、真木さんが芹沢さんを慕っているのが伝わってくるような気がした。



あんなに優しい人だもん。



みんなに好かれて、慕われた社長だろうな。




「この辺で大丈夫ですか?」


気づくと、アパート付近まで来ていた。



「はい。目の前のアパートなので、ここで大丈夫です。送ってもらってありがとうございました」


「では、気をつけて」


「あ、あの、芹沢さんによろしくお伝えください。本当にありがとうございました」




真木さんに頭を下げ車から降りると、見えなくなるまで見送った。



この2時間、緊張したけど楽しかったな。




あ〜なんか夢みたいな時間だった。



この2時間で一生の運を使い果たした感じだよ。




夜空を見上げながら、芹沢さんの笑顔を思い浮かべていた。
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