今の自分を、スキニナレマスカ?
あたしはクローゼットを開けて自分の服を出した。カバンに荷物を入れて、外から開かないように止められている窓を割って、ここから逃げようと思った。
準備をして、窓を割るものを探した。押し入れを覗くと野球のバットが見えた、手を伸ばしバットを取り出す。あたしの頭の中は逃げることしか考えていない。早く、早くここから逃げなくては。目を瞑って後のことなどこれっぽっちも考えずに派手にやらかした。走って走って、ひたすら走った。どこだかもわからない街角に疲れ果てて腰をおろした。
知らなかったほうがよかった。知ってよかった。そんなのどっちなのかわからない‥。逆ギレされて殴られて、今までのノブからは想像もつかない行動。あんなことがあって、あたしはその男達を憎んだ、恨んだ。だけど…それがノブが仕組んだことだと知って、絶望した‥怒りでも憎しみでもないナニカがずっと胸の中にある。悲しみに似ていて、悲しみとは違うもの。もうあたしにはなにもないんだ。
携帯がノブの名前を表示して、さっきから鳴りっぱなしだ。これ以上彼のどんな話を聞けというの?音が鳴りやんだ時に、すかさずノブの番号を“拒否する”に設定した。
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