アクセサリーは 要りません
「ここで充分。
そんな顔せず笑顔で見送って。
じゃあおやすみ」

ドアを開けて外へ出た。出たことによって密室じゃなくなり、距離もできた。

「おやすみなさい」

そう言って笑ってくれたので、ドアを閉めた。ヤバい、ヤバかった。抱きしめそうになった。

カチャリと鍵の音がしたので、歩き始めた。

彼女を住居棟に住まわせなかったのは、親父良い判断だ。ここの方が行き来しやすい。あ、うちには来にくいわ。俺が行きやすいんだな。
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