アクセサリーは 要りません
頭頂部を山口先生の胸に付けて、顔は真下に向けて、思い浮かぶ嫌な言葉たちを、顔から口から地面に向けて流した。そういう風にすれば流れていくとイメージして、嫌な言葉は忘れよう。

「惠美里?」

先生は優しい声でそう呼んでくれるけれど、こんな嫌な言葉が頭に過ぎる私を知らないから彼氏になりたいって言うんじゃないかな。もうちょっと嫌な気持ちを流してしまえば封印するから、もう少し待ってね。こんな嫌な私に気付かないで。

よし、落ち着いてきた。封印しよう。話題を変えればなんとか乗り切れる。
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