アクセサリーは 要りません
もう1つ、本質を見抜く力は身についた。体裁よくいる人も24時間体裁を保つのは難しい。上部だけ取り繕っている人も分かってしまう。

教師やスタッフなど大人の人間関係も、24時間一緒にいると丸見えなのだ。歳を重ねたスタッフも若い教師も関係なしで、人間関係も生徒に丸見えなのだ。これは怖い。サボっているのも、のさばっているのも、あざといのも、上や保護者には頭を低くして下には偉そうなのも、みんなお見通しなのだ。上の学年になると、人間力で負けた若いスタッフは、生徒のコントロール下に置かれることもあったり。生徒に論破されてしまうのだ。そして本人はそれに気付けていない。それも、社会の弱肉強食の縮図なのである。卒業を控える最後の「長」と名の付くポジションに選ばれるのは、大人からも同級生からも後輩からも信頼され人間力に認められた生徒が、暗黙の了解で選ばれる。あと一歩及ばず、俺はそこのサブ止まりだった。

ここへ教師として戻る話が来たとき「自分は丸裸にされても人望を集める事ができる大人に成長したのか?」と何度も自問自答を繰り返した。でも、限られた期間ではあるが、あの至誠の環境へ生徒ではない違ったポジションで戻れるチャンスが来たのだ。

足りない部分は真摯に反省し補い、自分自身も成長していけば良いのだと気持ちを切り替え、この話を受ける事にした。

諸手続きを行い4月に入ってすぐ、6年間住んだ寮棟ではなく職員住居棟に入った。
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