アクセサリーは 要りません
そして月曜の朝、俺の部屋のキッチンの小窓から、学校前の道を登校してくる惠美里が見えたので家を出た。この間トレセンに行くのに待ち伏せできた時も、今日と同じタイミングで家を出たら、正門で会えたから。

「惠美里、おはよう」

「え?あ、おはよう」

「お、土曜より元気そうだね」

「山口先生は?ゆっくり休めた?」

「うーん、仕事は進んだかな」

「仕事は進んだけれど、
休めなかったって事?」

「そんなとこかな?
昨日の夜眠れなかった」

「そっか。私は早く寝たよ。
ぐっすりでスッキリ。
あっ、私ロッカー寄っていくね」

「うん、大丈夫?」

「え?何が?」

「いや、気のせい?
顔色とかは元気そうだけれど
なんか元気じゃない気がしたから」

「私、山口先生にいつも
『大丈夫?』って聞かれてるね。
心配かけてごめんなさい。
でも大丈夫よ。行くね」

そう言ってロッカールームの方へ歩いて行った。振り向く直前の顔は、すごく無理に笑っているように見えた。

惠美里、何かあった?
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