アクセサリーは 要りません
惠美里の頭を撫でながら、俺の気持ちが伝わってくれと願いながら話した。

「ごめんなさい、私、
すごく嫌なことばかり
頭に思い浮かんで。

『こんな私のこと、もう好きで
いてもらえないって。
キスも比べられてしまって』って。

山口先生の顔を見ると
あ、いぶっきーの顔を見ると
そんなことばかり頭に浮かぶから
今週は逃げてた。

あと、2回目3回目のキスの時は
また比べられちゃうって
悲しい気持ちだったの。
何も考えないように
『平常心、平常心』と
お経のように唱えてたの」

「マスクがあっても
俺は気持ち良すぎた。。。
なんか、がっついてごめんな。

あ、あの時も頭頂部を俺の胸につけて
今みたいに、下を向いていたよね?
何を思っていたの?」

「内緒。思い浮かんだ嫌な事を
頭から追い払っていたの」
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