アクセサリーは 要りません
「伊吹くん、違うの。
伊吹くんを疑っているのではなく、
疑ってしまうんじゃないかと
私が私を疑っているの。

伊吹くんが私を大事にして
くれているのは充分伝わっているの。
だから信じたいと思っている。

ごめんなさい。
なんか職業でこんなこと
言っちゃダメよね。

『教師だから〜』って言われたら
私も嫌だもの。

私が伊吹くんを信頼していたら
お母さんもわかってくれる。
全員ってわけではないもの。

好きになった人のお仕事が
パイロットだった
って事だもんね。

嫌なこと言ってごめんなさい」

「いや、思った事を
言ってくれた方が良いよ。
惠美里の言う嫌なことは
俺には嫌なことではないよ。

学校に残る事も含めて
結論はまだ今すぐ出さないと
いけないわけではないから
また、一緒に考えて欲しい」

「うん」

「帰ろっか?」

「うん」
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