アクセサリーは 要りません
入学式も無事終わり、後片付けをして、指導教諭と来週からの授業の打ち合わせをして、一旦学校内住居棟の部屋へ戻った。
シャワー浴びて、「どうせ車だし」とTシャツとちょっとマシなスウェットで車に乗り、実家へ行った。

父と母が奈良に移ってから半年経った頃に1泊で来て、次の年の正月は大阪にいたから日帰り、その春から海外に行くことになり、出国直前に2泊、帰国後はコロナで来れてなかった。前回は感じなかったけれど、父も母も少し老けていた。

実家近くにいれるのも2年か。
なんて思いながら、親父と飲んだ酒が気持ちよく、客間の布団で意識を手放した。

次の日の朝、母親が起きている音で目が覚めた、こんなに早くにどこに行くのか、と思ってリビングに行くと、「ウォーキングに行く」という。目も覚めたし、そう言えば運動不足だしと思い、ついて行くことにした。
昨日、自分の部屋を出る時サンダルを履きかけたが、運転するからとスニーカーにして良かった。朝の空気は澄んでいて、時々鹿とすれ違ったり、風が吹くと葉桜の枝から花びらが舞い降りたりした。
良い所だな。
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