アクセサリーは 要りません
屋根の付いたいつもの渡り廊下の端に、何故か今ウエディングドレスを着て立っている私。

高知くんのお母さんはブライダルのお仕事をしておられ、私が選んだドレスを着付けてくださった。

隣には父がいて、逆の端には伊吹くんがフロックコートを着て立っている。校長先生が渡り廊下のいつも私が佇んでいる真ん中あたりに立たれた。管弦楽部が音楽を奏で、伊吹くんが校長先生のところまで歩いて行った。曲が変わりアベマリアが流れ父が私の手を引いて、校長先生のところまで連れて行ってくれた。マスクをした生徒は、拍手や「おめでとう」と書かれたうちわを振ってくれている。
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