バーチャル彼氏
「はっ……なに、それ?」


おかしくって、もう少しで笑い死にするところだった。


お腹がいたくて、涙も出る。


桃子はプゥッと頬を膨らませて、「でも、それがすごい人気なんだってばっ!!」と、言った。


あぁ……そうなんだ?


ツナ缶から出てくる男の子がねぇ……。


プッ……。


再び笑い出しそうになるのを必死でこらえて、真っ赤な顔で桃子を見る。


「で……?」


「それがね? 本物の男の子たちを忠実に再現してるゲームなの。だから、イケメンたちは全員存在するってこと!!」


目をキラキラと輝かせる桃子。


へぇ~。


ゲームのキャラクターにモデルがいるって事はあると思うけど……。


その人物を忠実に再現ねぇ……。


私はツナサラダを食べながら、ツナ缶を思い出していた――。
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