異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
 この言葉がぐるぐると頭の中を駆け巡る。嬉しくて、思い出すだけで目頭がジンと熱くなった。私はもうどんな結果であろうと後ろを向かない。こんなにも私の事を思ってくれ、母に対しても真剣になってくれる彼とこれから先、一緒に生きて行きたいと強く思った。


「よしっ!!!」


 説明書通りに検査薬を使い、しばらく待っていると薄ら線が出てきた。


(えっと……線が出てきたって事は……)


 単純に嬉しかった。
 気持ちが落ちることなんて一切無く、ただ、ただ嬉しくて、はぁ〜〜〜と安心と高揚が混ざった長い長い溜息が出た。
 ここに、私のお腹に総介さんとの赤ちゃんがいると思うとなんだか不思議だ。まだ実感が湧かない。
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